変形性股関節症と診断され、「このまま歩けなくなったらどうしよう」「いずれ手術が必要になるのでは」と不安を抱えている方は少なくありません。特に50〜70代の女性では、歩行時の痛みや家事の負担によって日常生活の質が大きく低下することがあります。
しかし実際の臨床では、レントゲン上の変形の程度と痛みの強さが一致しないケースを数多く経験します。武庫之荘駅前整骨院サキュレでは、施術歴20年以上、延べ8万回以上の施術経験を通じて、痛みの原因を「変形」だけではなく「身体の使い方」「姿勢」「循環」「神経やファシアの連動」という視点から評価しています。
この記事では、変形性股関節症が女性に多い理由と、再発予防につながる本当の原因についてわかりやすく解説します。
変形性股関節症とはどのような状態なのか
変形性股関節症が女性に多い理由
変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減り、関節に変形が生じることで痛みや可動域制限が起こる疾患です。特に日本では女性の患者さんが多いことが知られています。
その理由の一つに、臼蓋形成不全と呼ばれる股関節の受け皿が浅い状態が挙げられます。女性は男性よりも骨盤の構造上、股関節への負担が集中しやすい特徴があります。また、更年期以降のホルモン変化によって筋力や柔軟性が低下しやすいことも影響します。
ただし、女性だから必ず変形性股関節症になるわけではありません。同じような骨格を持っていても、症状が出る人と出ない人がいることから、構造以外の要素も重要であることがわかります。
股関節の変形と痛みは必ずしも一致しない
「変形が進んでいるから痛い」と考えられがちですが、実際はそう単純ではありません。
レントゲンでは大きな変形が見られても痛みなく生活している方もいれば、軽度の変形でも強い痛みに悩む方もいます。
私たちが注目しているのは、関節そのものではなく関節がどのように動いているかです。FJA理論では、痛みを単なる構造の問題ではなく、動きのエラーとして捉えます。
関節の滑らかな動きが失われると、筋肉や神経、ファシアに過剰な負担がかかり、結果として痛みが発生しやすくなります。
歩行時痛や家事で痛みが出る仕組み
歩く時には体重の数倍の力が股関節に加わります。
本来は骨盤や体幹、膝や足首が協調して衝撃を分散します。しかし動きの連動性が失われると、負担が股関節に集中します。
例えば買い物中に長時間歩くと股関節の前側が痛くなる方や、掃除機をかけるときに痛みが増す方は少なくありません。
これは股関節だけの問題ではなく、全身の運動連鎖が崩れているサインとも考えられます。
変形性股関節症の原因を股関節だけで考えてはいけない理由
股関節に負担をかける姿勢の崩れ
身体は重力の中でバランスを取りながら生活しています。
猫背や反り腰、骨盤の傾きが続くと、重心位置が変化し股関節への負担が増加します。
特に中高年女性では、加齢や運動不足によって体幹機能が低下しやすく、知らないうちに股関節へ負担が集中していることがあります。
姿勢の崩れは見た目だけの問題ではなく、関節の負担配分そのものを変えてしまうのです。
骨盤・腰椎・膝との連動性
股関節は単独で働く関節ではありません。
骨盤、腰椎、膝、足首と密接につながっています。
例えば腰が硬くなると股関節が代償的に動きすぎます。逆に足首が硬くなると歩行時の衝撃が股関節へ伝わりやすくなります。
痛みのある場所だけを見るのではなく、その前後の関節や全身の動きを評価することが重要です。
FJA理論で考える動きのエラーと滑走障害
FJA理論では、主運動と副運動の関係を重視します。
主運動とは見た目にわかる動きです。一方、副運動とは関節内部で起こるわずかな滑りや転がりを指します。
変形性股関節症の患者さんでは、この副運動がうまく機能していないことが少なくありません。
関節の滑走障害が起こると筋肉が緊張し、神経系が過敏になり、結果として痛みが生じます。
そのため、単に筋肉を揉むだけでは根本的な解決にならない場合があります。
女性の変形性股関節症で見落とされやすい全身の問題
姿勢と循環の低下が股関節に与える影響
姿勢循環整体では、身体を一つのユニットとして考えます。
血液、リンパ液、脳脊髄液などの流れが滞ると、筋肉や関節は正常な働きを維持しにくくなります。
股関節周囲の筋肉も例外ではありません。
循環が悪くなると回復力が低下し、慢性的な痛みや疲労感につながります。
呼吸や歩行パターンの乱れ
呼吸は姿勢に大きく影響します。
浅い呼吸が続くと胸郭の動きが制限され、身体全体のバランスが崩れやすくなります。
また歩行パターンが乱れると、一歩ごとに股関節へ余計な負担がかかります。
日常生活で何千回も繰り返される動作だからこそ、小さなズレが大きな負担へと変わっていきます。
内臓や体液循環と姿勢の関係
身体は筋肉や骨だけで構成されているわけではありません。
内臓の位置や働きも姿勢に影響します。
長時間の座位や運動不足によって内臓機能が低下すると、体液循環にも影響が出ます。
すると身体は無意識にバランスを変えようとし、その結果として股関節への負担が増える場合があります。
変形性股関節症の改善と再発予防に必要なこと
痛みだけを追いかけない評価の重要性
私たちはまず痛みの場所ではなく、なぜそこに負担が集まったのかを評価します。
歩行、立ち上がり、体重移動、姿勢保持などを確認しながら原因を探ります。
痛みは結果であり、原因ではありません。
原因を見つけなければ再発予防は難しくなります。
FJAによる局所評価と調整
FJAでは主運動、副運動、滑走、神経制御などを評価します。
関節がどのように動いているのかを確認し、必要な反応を身体から引き出していきます。
重要なのは無理に矯正することではありません。
身体が本来持つ調整能力を活かしながら、正常な動きを取り戻すことです。
姿勢循環整体による全身アプローチ
局所を整えた後は全身を整える必要があります。
姿勢循環整体では全員に共通した施術の流れを用いて、身体全体の循環環境を整えます。
静脈やリンパの流れ、呼吸機能、重心バランスなどを総合的に改善することで、股関節への負担軽減を目指します。
局所調整がFJAの役割であるなら、全身環境を整えるのが姿勢循環整体の役割です。
変形性股関節症で手術を考える前に知っておきたいこと
手術が必要なケースとは
関節破壊が著しく進行している場合や、日常生活に大きな制限がある場合は手術が選択肢になることがあります。
そのため、強い痛みや急激な症状悪化がある場合は整形外科での検査を受けることが重要です。
必要に応じて医療機関との連携も大切になります。
保存療法で改善が期待できるケース
一方で、多くの方は保存療法による改善が期待できます。
実際に変形があっても、動きや姿勢が改善することで歩行時痛が軽減するケースは少なくありません。
重要なのは変形だけを見て諦めないことです。
実際の患者さんの改善事例
60代女性の患者さんは、買い物中に股関節が痛くなり、長距離歩行を避けるようになっていました。
評価を行うと、股関節そのものよりも骨盤の動きや体重移動に問題が見られました。
FJAによる局所評価と姿勢循環整体を組み合わせて施術を継続した結果、徐々に歩行距離が伸び、現在では趣味の散歩を楽しめるようになっています。
もちろん全ての方が同じ結果になるわけではありませんが、身体全体を見る重要性を示す一例です。
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